「やってあげる」より「やってもらう」!専門性がない隊員だからこそできる強みがある(寄稿:Kei さん)

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ナマステ!
ブログはガチ。でもお腹はゆるゆる。
ネパール在住・クソマジメ下痢ブロガーのKei(@Kei_LMNOP) です

27-1・コミュニティ開発隊員として、「農村の収入向上」をテーマに活動しています。

僕の配属先は農業関連のオフィスなので、バリバリの農業隊員。
だけど残念ながら僕は農業経験が全くないどころか、JICAの技術補完研修も受けてません。おまけにこれといった専門性もない。

さあどうするか。でも、専門性がない人からこそできる活動もあるんです。

その秘訣は「やってあげる」より「やってもらう」。

僕のような専門性がなくて悩んでいる隊員向けに、今回はその秘訣を教えます。

 

ネパールの特産品「ラプシーキャンディ」の販促支援に取り組んでいる

具体的な秘訣に入る前に、まずは活動の概要と成果を共有させてもらいますね。僕がメインの活動として取り組んでいるのが「ラプシーキャンディ」の販売支援です。

「ラプシー」というネパールの果物で特産品。これをドライフルーツのように加工したお菓子なんです。

こちらが「ラプシー」。

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これが「ラプシーキャンディ」。

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どうですか?おいしそうでしょ?(笑)

この「ラプシーキャンディ」って実はネパール人がよく食べるもの。なので、今まではネパール人向けのお店にしか納品されてませんでした。でもめちゃおいしいし、ネパールらしさがあるから外国人用のお土産にぴったり。

そう思って、観光客用のお土産屋さんに納品した結果、商品がバカ売れ。ネパール人向けお店よりも高い値段で毎月200パック以上が売れるようになりました。さらにはラプシーキャンディをチョコで包んだ新商品まで登場しました。

ネパールの爆買いお土産、ラプシーキャンディの新商品が美味すぎる件

 

売上が大幅アップ!でも唯一喜んでいなかったのは工場で働くおばちゃんたち

これによって、通常よりも高単価で商品が出荷されていくようになりました。

当然誰もが大喜び!
かと思いきや、唯一喜んでいなかったのが、生産工場で働くおばちゃんたち。
彼女たちの給料は、ドンドン売れていくラプシーキャンディを横目に、一向に上がらなかったからです。

もともとこのラプシーキャンディは、ある1人のおばちゃんの家が始めた事業。売上が増え、生産量が増えるにつれて、他の家のおばちゃんも働くようになりました。よって、リーダーのおばちゃんが他の5人のおばちゃんを雇用してる形になっています。

売上が増えているのは知っている。だから働くおばちゃんとしては、自分たちの給料も上げてほしい。でも、雇用してもらってる以上、それを言うのはなかなか難しい。

そうやって、働くおばちゃんたちのフラストレーションが溜まっていき、しまいには工場に行く度にこんな小言を言われるように。

「ビカス(僕のネパリネーム)はリーダーのおばちゃんだけ金持ちにしたいのね」

学歴もなくて読み書きも危うくて、簡単な計算も難しい村のおばちゃんたちを雇う工場。しかも農業に収入を依存する村に、新しい収入手段をもたらしている。

だからこそラプシーキャンディの販促支援の活動を始めたのに、肝心の働くおばちゃんたちに売上UPのメリットがなかったんです。

 

大事な賃金交渉。働くおばちゃんたちを信じて「やってあげる」より「やってもらう」ことにしてみた

さてどうするか。僕はない頭をこれでもかと抱えました。
でも方法は1つしかありません。
それはリーダーのおばちゃんと賃金交渉をすること。

問題は誰がこの交渉を行うのか。最初は僕がやろうと思ってました。

僕自身も活動のミッションは「農村の収入向上」なので、賃金UPしてほしい。そして一生懸命仕事をしていた、働くおばちゃんたちの頑張りを痛いほどわかっていたので、心情的にも賃金を上げてほしかった。実際、働くおばちゃん軍団からも「ビカスからなんとかお願いしてほしい」とも言われてまたし。

でもあえて僕はやらないことにしました。

そしてこんな言葉を働くおばちゃんたちに投げかけました。

「僕がやってもいいよ。
でも、これって誰の賃金を上げるための交渉なんだっけ?」

自分たちの問題は自分たちで解決するもの。
そしてこれは働くおばちゃんたちなら解決できるもの。

そう彼女たちを信じて、あくまでも僕はサポートに徹し、あえて「やってあげる」より「やってもらう」ことにしました。

 

信じて任せたら、いつの間にか賃金UPを勝ち取っていた

「これは自分たちでなんとかしなきゃいけない。」
そう納得した働くおばちゃんたちですが、なかなか賃金交渉を始めませんでした。

1ヶ月、2ヶ月と平気で過ぎていきました。

僕自身、このときは葛藤がありました。
もしかしたら僕自身が介入して「やってあげる」方がいいのかもしれない。
その方が早いのかもしれない。

でもそんな気持ちをグッとこらえました。
なぜなら、これは働くおばちゃんたちの問題だから。
そして僕が帰ってからもここで働き続ける限り、ずっと付きまとう問題だから。

だから僕がいてサポートができる今こそ、絶対に彼女たちが自分たちでなんとかしなきゃいけない。そう思って、彼女たちを信じて我慢しました。

そうして辛抱すること3ヶ月。

僕ももはや忘れかけていた頃に、働くおばちゃんたちからドヤ顔でこう言われました。

「リーダーのおばちゃんと交渉して、賃金UPしてもらえることになったよ」

ええええーーーーーーー!!!!
まさかの展開。まさかの日本代表GK川島ぶりのドヤ顔。
僕は喜びのあまり、思わず叫んでしまい、踊り出しそうになりました。

ただよくよく聞いてみると、確かに賃金UPはしてもらえるものの、希望の金額とは少し開きがありました。

ここで、ようやく僕の出番。
リーダーのおばちゃんと彼女たちの賃金UPについて話をしました。

ただここでも僕は、「やってあげる」より「やってもらう」を徹底。これまで僕が売ってきたキャンディの売上表を見せて、会社と従業員の理想の関係について話をしただけ。

「これはリーダーのビジネスだから、リーダーが決めてね」とだけ伝えました。判断を「してあげる」のではなく「してもらう」ことにしたんです。

もちろん、僕が無理矢理説得することもできましたよ。
でも、リーダーのおばちゃんなら必ず正しい判断をしてもらえると信じたんです。

 

結果、働くおばちゃんたちの希望金額通り、賃金UPに成功した

それから数週間。

リーダーのおばちゃんは相当悩んだようで、なかなかどうするかを教えてもらえませんでした。

僕も正直この期間は不安でした。信じることには変わりないものの、本当に希望額通り、賃金UPをしてもらえるのかと。

でも、ある日、リーダーのおばちゃんに呼び出され、働くおばちゃんたちの希望金額通り、賃金を上げることにしたと言われました。

嬉しさが心の底からこみ上げてきました。

なぜなら、賃金UPしたこと自体はもちろんですが、賃金UPのプロセスが超理想的だったからです。

働くおばちゃんたちが自ら判断して動き、賃金交渉を自分たちで持ちかけたこと。
僕はその動きを後押しするだけで、サポートに徹することができたこと。
そして、リーダーのおばちゃんが社員を大事にすることの重みを理解し、自分で判断したこと。

すべてが理想的でした。

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働くおばちゃんたちに「希望額通り、賃金が上がったんだね」ってさりげなく聞くと、またまたドヤ顔をされました(笑)

そしてどこか彼女たちの顔には今までにはなかった「自信」が見えました。
最高です。これこそ自分が望んでいた結果でした。

 

専門性がないことの強みは「やってあげる」より「やってもらう」ができること

専門性がないって一見するとただの弱点です。
しかもめちゃくちゃ痛いところ。
そりゃ専門性がないよりあった方が100倍いい。

でも専門性がないからこそ生まれる強みがあるんです。
それは「やってあげる」より「やってもらう」に徹することができるということ。
これは自分の専門性がはっきりしていて「やってあげる」ができる隊員には逆になかなか難しいことだと思います。

もちろん何か知識やノウハウを教えるような「やってあげる」。
これはめちゃくちゃ大事なことだし、協力隊の根幹となる活動だとも思います。それによって、目覚ましい改善や成果が出ることも事実でしょう。

でも、それと同じくらい大事なのは「やってもらう」ことなんです。
途上国の人達に足りないのは「能力」よりも「自信」。
人を大きく変えるのは、知識やノウハウを体得するのと同じくらい、自信を得ることなんじゃないでしょうか。

だから専門性がなくて「やってあげる」ことがないなら「やってもらう」に徹すればいい。

そうすれば、知識やノウハウよりも、もっと大切かもしれない「自信」を現地の人に持ってもらえるようになります。それって、専門性がない隊員だからこそできることなんですよ。

だから専門性がないことを気にしてる暇があったら、発想を変えてください。そして専門性がないからこそ生まれる強み「やってもらう」を徹底して自分はあくまでもサポートに回ってください。

そうすることで、現地の人の自主性を引き出し、「自信」という最高の財産を得る手助けができるかもしれませんよ。

 

ブログ「僕はネパールを変えることができない」もやってます!

読んでいただきありがとうございました!

最後まで読んでくれたあなたはぜひ、僕のブログにも遊びに来てください!
ネパールでの生活や青年海外協力隊の話はもちろん!
生き方に悩める20代が一歩踏み出したくなるブログです。

「僕はネパールを変えることができない」

最近の会心作はこちら。
「雇用される以外」でお金を稼ぐ力が圧倒的に足りない日本人は超幸せだ – 僕はネパールを変えることができない。

(寄稿:ネパールコミュニティ開発隊員 Kei )

 

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